リアルすぎる動画生成AIモデル Luma AI『Ray2』
概要
Luma AIが開発した最新の動画生成AIモデル『Ray2』
2025年1月16日(日本時間)のリリース以降、次々に進化を続け、世界中に驚きを与えている動画生成AIです。
従来のモデルや他の動画生成AIと比較しても、圧倒的なリアリティと精度を誇り、個人クリエイターからプロフェッショナルまで幅広いユーザーが支持しています。
動きの滑らかさや質感の再現性が際立ち、映画制作や広告業界のワークフローを変革する可能性を持つこのモデルは、今後のアップデートでVideo to Video機能や編集機能などの実装が予定されており、さらなる躍進が期待されています。
本記事では、これから動画生成AIの中心になっていくであろう『Ray2』についてご紹介します。
目次
1. 超高性能な動画生成AIモデル『Ray2』
出典:Luma AI
テキストや画像から、高精度かつリアルな映像を短時間で生成できる高品質なツールとして注目を集めています。
一貫性のある自然な動きや高解像度の映像表現が可能であり、最新モデルRay2による そのリアルすぎる映像は、リリース直後から世界中の動画生成AIユーザーに衝撃を与えました。
従来のAI動画生成モデルと比べ、より滑らかなモーションと細部までこだわったレンダリングも実現しており、「実写よりリアル!」と世界中で話題に。
特に物理ベースのシミュレーション技術により、キャラクターやオブジェクトの動きを極めて自然に再現できる点が大きな強みです。
出典:Luma AI 公式X
1.2.Ray2の主な特徴
高速な処理能力:前モデルRay1と比較して10倍の計算処理能力を持ち、5〜10秒の動画を生成。
高解像度対応:最大1080pの解像度で動画を生成。(今後4K対応予定)
多様な入力形式:テキストや画像から映像を生成。
リアルな物理シミュレーション:キャラクターやオブジェクトの動きに一貫性を保ち自然に表現。
1.3.料金体系
Ray2モデルは無料プランは利用不可。
詳細はこちらから→Dream Machine pricing
2. Ray2の映像
※筆者はPLUSプランを利用
2.1.【簡単】Ray2の使い方
出典:Luma AI
1. テキストを入力
入力フォームにテキスト(プロンプト)を入力。
2. 生成ボタンをクリック
数分で動画が自動生成。
3. ダウンロード
作成された動画を保存。
これだけで5〜10秒の動画が簡単に生成できます。
2.2.Ray2で動画生成
実際に動画を生成してみました。
プロンプト:
Create a realistic slow-motion animation of a soldier running through a warzone while shooting a rifle. The animation should emphasize the details of the flying bullets, muzzle flash, and explosions in the background. The soldier's movements should be smooth and dynamic, with dust particles rising from the ground and debris flying around due to the nearby explosions. The lighting should reflect the intense atmosphere of a battlefield, with realistic smoke and fire effects. Ensure the soldier's facial expressions, equipment, and weapon interactions are captured naturally.
プロンプト:
A massive pirate ship with tattered black sails and a fearsome skull emblem braves a raging storm in the open ocean. Towering waves crash against the wooden hull, sending sprays of seawater into the air. The dark sky is illuminated by flashes of lightning, revealing the determined crew working frantically to steer the ship. The camera follows a dynamic tracking shot, starting with a wide aerial view of the ship battling the storm, then swooping down to a close-up of the deck where pirates struggle against the violent wind and rain. The scene is intensely cinematic, with dramatic lighting, high-speed motion blur, and ultra-realistic water physics. Rendered in stunning 4K with high detail, deep shadows, and atmospheric depth, the visuals capture the epic and dangerous journey of the pirate vessel.
Ray2は日本語のプロンプトにも対応しています。
プロンプト:
ステージの中央でラップを披露するラッパー。正面からのカメラアングルで、落ち着いた雰囲気の中、ゆっくりとした動きでパフォーマンスをする。背景には幻想的なライティングとスモークエフェクトが施され、観客のシルエットがうっすらと映る。シネマティックな映像表現で、ディテールの鮮明な高解像度映像。
「実写よりリアル!」と言っても過言ではない、凄いクオリティです!
3.最新アップデート情報
Ray2はリリース後も急速に進化を続けており、2025年2月11日(日本時間)には新機能Image to Videoが追加されました。今後も高解像度化や長尺動画への対応など、さらなるアップデートが予定されています。
出典:Luma AI 公式X
※Image to Videoは2025年2月14日現在、UNLIMITEDプランのみ利用可能(近日中に各プランに展開予定)
3.1.Image to Video機能の追加(2025年2月11日)
最新のアップデートにより、Ray2には「Image to Video」機能が追加。
この機能では、ユーザーがアップロードした静止画を基にAIが映像を生成します。
既存の動画生成AIツールの同機能と比較しても精度が高く、これにより、歴史的な写真やイラスト、アート作品などを動画として蘇らせることが可能になりました。
※2025年2月14日現在、Image to VideoはUNLIMITEDプランのみ利用可能。近日中に各プランに展開予定。
出典:Luma AI 公式X
3.2.開発中の新機能
Ray2は、映像表現の可能性をさらに広げるため、次の機能が現在開発中です。
Video-to-Video機能動画: 既存の動画を元に新しい動画を生成する機能
編集機能の強化: 動画生成後の編集を可能にする機能が追加予定
3.3. さらなる高解像度化
現在、Ray2は最大1080pの解像度に対応していますが、今後のアップデートでは4K解像度 への対応が予定されています。高解像度対応により、CM制作などのプロフェッショナルな用途にも活用が可能になりそうです。
3.4.長尺動画対応の可能性
現在の動画生成は短尺(5~10秒程度)が中心ですが、今後は 長尺動画の作成も視野に入れたアップデートが予定されています。
現時点でも動画編集ツールと組み合わせることで、数分間の高品質な映像の制作が可能ですが、この長尺対応によって、誰でも短編映画やCMなどを制作できるフェーズが到来しそうです。
3.5. モデルの性能向上
Ray2は、前モデル(Ray1)と比較して10倍の計算能力を持つ新しいアーキテクチャを採用していますが、さらなる生成速度や物理的リアリズムの向上が予定されています。
より滑らかで自然な動きの映像を生成できるようになり、従来の動画制作手法と遜色のないクオリティが実現されることでしょう。
3.6.プラットフォームの拡張
現在、Ray2は Luma AIの「Dream Machine」プラットフォーム や AWSの「Amazon Bedrock」 上で利用可能ですが、今後さらに多くのプラットフォームでの利用が可能になると予想されています。
これにより、さまざまな環境での導入が進み、より多くのクリエイターや企業がRay2を活用できるようになるのではないでしょうか。
3.7. 日本語対応の強化
すでに日本語プロンプトでの動画生成が可能ですが、今後はさらに日本語対応が強化され、より直感的な操作が可能になります。
日本国内ユーザーの利用ハードルが下がり、日本市場における普及が加速することが期待されます。
4.まとめ
Luma AIの最新動画生成AI『Ray2』は、急進化を続けています。
リリースからわずか数週間で「Image to Video」機能が追加され、AIの進化スピードの速さを改めて実感させられます。今後も前述のように4K対応、長尺動画の生成、さらに高度な編集機能の追加が予定されており、映像制作のあり方が根本的に変わる可能性があります。
特に、プロの映像制作者だけでなく、個人クリエイターや企業のマーケティング担当者にとっても、手軽にハイクオリティな映像を制作できる環境が整いつつあります。
現在はUNLIMITEDプランでの限定機能もありますが、今後はより多くのユーザーが使えるようになり、クリエイティブの幅が広がることが期待されます。
動画生成AIは、まだ発展途上の技術ではありますが、『Ray2』の登場によって、その可能性が大きく広がったことは間違いありません。
「AIとハタラクラボ」では、今後も最新のAIアップデート情報を追いかけ、読者の皆さまに最新のAI関連ニュースをお届けしていきます。
5.Audio機能 (2025年2月26日更新)
2025年2月25日(日本時間)にLuma AIから『Audio』機能がリリースされました。
Luma AIで生成した動画に合わせた音声を自動で生成する機能です。
出典:Luma AI公式X
5.1 Audio機能の使い方
Luma AIで生成した動画を選択して『Audio』ボタンをクリックするだけで自動で音声が生成されます。
「Add Decscription」からプロンプトを追加することも可能です。
5.2 Luma AI『Audio』機能を実際に使ってみた
実際に『Audio』機能で2.2.Ray2で動画生成のなかで紹介した動画に音声をつけてみました。
※音量の調整にご注意ください。
音声を自動生成してみましたが、動画内の人物や背景の動きに合わせて、銃撃音や声といった効果音が追加されています。
次に楽器演奏している動画を生成して音声を追加してみました。
楽器や演奏する人物の動きに合わせて演奏音が追加されています。
また、動画に合わせたBGMも生成することもできました。
プロンプト無し
プロンプト:Piano background music as if played in a cafe
従来、AIで生成した動画に音声を追加するには、音楽生成AIツールや音声編集ソフトを使用する必要がありました。
しかし、今回新たに追加された「Audio」機能により、Luma AI内で音声の追加が完結できるようになったため、これらのツールを併用して映像制作をする必要性が低くなる可能性がありそうです。
6.拡張機能(2025年3月6日 更新)
2025年3月6日(日本時間)にLuma AIからKeyframe機能・Extend機能・Loop機能の追加が発表されました。
生成した動画の尺や演出を拡張させる機能です。
6.1.Keyframe機能の使い方
開始と終了のフレームとして2枚の画像をアップロードすると、その間の映像をAIが自動的に生成する機能です。
操作画面からKeyframeを選択して、「START FRAME」と「END FRAME」に画像をアップロードするだけで動画が生成されます。
画像①と画像②をアップロードして、実際に動画を生成してみました。
画像①
画像②
完成動画
6.2.Extend機能の使い方
生成した動画に新たな動画やプロンプトを追加することができる機能です。
例えば2つの動画を組み合わせることができます。
生成した動画を選択し、「Extend」ボタンをクリックすることで利用できます。
動画①
動画②
完成動画(①+②)
6.3.Loop機能の使い方
動画の開始と終了部分をシームレスにつなげることで、連続再生しても違和感のないループ動画を作成する機能です。
操作画面の「 ∞ 」ボタンをクリックすることで生成される動画がループ化します。
ループ機能で生成した動画がこちらです。
完成動画
他の動画生成AIにも搭載されているKeyframeをはじめ、さまざまな動画拡張機能がリリースされたことで、映像制作の可能性はますます広がりました。
特に、こうした拡張機能をほぼワンクリックで手軽に利用できるのは、非常に革新的です。
一方で、個人的な感想としてですが、これらの拡張機能を活用して高品質な映像を作り上げるのは、初心者や経験の浅いユーザーにとってはまだ少々難易度が高いようにも感じます。
7.新モデル Ray2 Flash(2025年3月8日更新)
2025年3月8日(日本時間)にLuma AIから新モデル「Ray2 Flash」がリリースされました。
3倍の動画処理スピード、1/3倍のクレジット消費量で動画を生成することができる新モデルです。
求めるクオリティなどによりますが、より低コストで動画を量産したい個人ユーザーによって有用なモデルになるでしょう。
執筆、編集作業の所要時間
所要時間: 190分
人間: 90分
AI: 100分
内訳
記事構成案(by AI): 10分
記事執筆(by AI): 30分
推敲(by 人間): 60分
推敲(by AI): 30分
動画生成プロンプティング(by 人間):30分
動画生成(by AI):30分
人間のみで記事作成した場合に想定される所要時間: 600分
AIによる所要時間削減率:68 %